相続Q&A

相続Q&A

Q.遺言の内容とは異なる遺産分割協議を成立させることはできるのか。
A.共同相続人の全員が合意した場合,遺言の内容とは異なる遺産分割を行うことも可能です。
 
 
Q.共同相続人の一人を除外して遺産分割協議を成立させていたことが後日判明した。この場合,遺産分割協議の効力はどうなるのか。
A.共同相続人の一部を除外して成立した遺産分割協議は原則として無効となります(ただし,死後認知の場合について例外があります)。そのため,除外されていた共同相続人を含めてあらたに遺産分割協議をやり直す必要があります。
 

Q.遺産分割協議後に,遺産の一部が脱漏していたことが判明した。この場合,遺産分割協議の効力はどうなるのか。
A.遺産の一部を脱漏して遺産分割協議を成立させていた場合でも,すでになされた遺産分割は遺産の一部を分割したものとして有効になります。そのため,新たに判明した遺産のみを対象として遺産分割さらに行うということになります。

 
Q.遺産分割協議を成立させたが共同相続人の一人が協議の内容を履行しない。この場合,成立した遺産分割協議を債務不履行を理由に解除できるのか。
A.遺産分割協議が有効に成立すると,債務不履行による遺産分割協議の解除は認められません(ただし,共同相続人全員の合意により解除することはできます)。そのため,協議の内容を履行しない共同相続人に対しては,民事訴訟等の手続により履行を求めていくことになります。

 
Q.遺産分割が終了するまでは相続税の申告を行わなくてもよいのか。
A.遺産分割が終了しているか否かにかかわらず,相続又は遺贈により財産を取得した者には,相続のあったことを知った日の翌日から10か月以内に,相続税を申告する義務が生じます。申告を行わなかった場合,延滞税が加算されることになります。

 
Q.遺産分割を行う時期には期限があるのか。
A.遺産分割の時期については特に制限はありません。ただし,遺産分割が終了しているか否かにかかわらず,相続税については,相続のあったことを知った日の翌日から10か月以内に,申告・納税の義務がありますので注意が必要です。

 
Q.共同相続人の一人について,生死が不明の者がいる場合,どのように遺産分割を進めればよいのか。
A.共同相続人の生死が不明で失踪宣言の要件を備えている場合は,不在者について失踪宣告の申立てをすることができます。失踪宣告が出されると,不在者は死亡したものとみなされ,不在者についての相続が開始します。この場合,不在者に相続人がいることが明らかな場合には当該相続人が,また相続人のあることが明らかでないときは家庭裁判所で選任された相続財産管理人が,それぞれ遺産分割協議の当事者となります。

 
Q.共同相続人の一人について,生存は明らかであるが行方不明である場合,どのように遺産分割を進めればよいのか。
A.共同相続人は,行方不明者の財産管理人の選任を家庭裁判所に求め,その財産管理人を交えて遺産分割協議を行うことになります。

 
Q.共同相続人の一人が未成年者である場合,どのように遺産分割を進めればよいのか。
A.共同相続人中に未成年者がいる場合には,その法定代理人たる親権者が未成年相続人に代わって遺産分割協議を行うことになります。ただし,当該親権者と未成年者とが共に共同相続人である場合や,親権者を同じくする複数の未成年相続人がいる場合などには,当該親権者の利益相反行為が問題となり得るため,未成年相続人の特別代理人を選任することが必要になります。

 
Q.共同相続人の一人が胎児(まだ生まれていない者)である場合,どのように遺産分割を進めればよいか。
A.民法886条1項により,胎児は相続については既に生まれたものとみなされます。しかし,胎児が死体で生まれたときはこの規程は適用されません。胎児が死体で生まれるかどうかは厳密には出生のときまでは分かりませんので,出生を待って遺産分割協議を行うことが多いと思われます。

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